
── 「クラッシィハウス」との関わりについてお聞かせください
住友商事のマンションシリーズは20代の頃から憧れを持って見ていました。マンション事業の先駆者として、今ではあたり前のように求められる資産価値の高いマンションを次々と発表していましたからね。バリアフリーや遮音フロアなども、その言葉が広がるずっと以前から取り組んでいましたし、「丁寧に良いものをつくって、集合住宅を日本中に広めたい」という強い意志が感じられました。ですから6年前、初めてクラッシィハウスの設計や監修に関わると決まったときは、何とも言えない高揚感がありました。現在、携わっている目黒の物件で3件目。一つ一つに強い思い入れがあります。
── 目黒の物件を例にクラッシィハウスのこだわりを教えてもらえますか?
クラッシィハウスをはじめとする住友商事のマンションは、すべて環境のいい場所にこだわっています。目黒の物件も、都心の住宅街の真ん中という便利さと静かさを兼ね備えた場所なので、エコと環境をキーワードに「風が抜けるマンション」を造ろうと考えました。建物の周りに緑道を設けたり、エントランスをくぐると迎えてくれる中庭には、カスケードと成長する森をあつらえたり。自然の力を上手に生かしながら、建物の中に風が吹き抜ける工夫を随所に施し、洗練された美しさの中に、この場所ならではの心地良さを生み出そうと試みました。
-

クラッシィハウス辻堂
-

クラッシィハウス目黒洗足(エントランスより中庭をのぞむ)
── 試みを成功させる上で苦労した所はどこですか?
毎回、「自分のイメージをどう具現化するか」という点が一番難しいですね。モノづくりは一人ではできません。集合住宅ともなれば、関わる人の数もとても多くなる。コミュニケーションを密に取り合いながら、強い志を持ち、全員がいかに気持ち良く仕事をできるか、ということを常に考えています。好きな言葉に、法隆寺五重塔の西岡常一棟梁がおっしゃった「塔組みは、人の心組みに通じる」といった意味合いの有名な言葉がありますが、まさにそれ。それぞれの個性や能力を見抜き生かすこと、そして己に厳しくあることが大切なのです。
── クラッシィハウスと共に、これから実現したいことは?
クラッシィハウスも私自身も、住まいづくりの中心には、住む方の"心地良さ"があるべきだと考えています。たとえば、エントランスはマンションの顔。その場所が自分にとって落ち着かない場所だったり、来客に自慢できないような場所だったら、住む方の心地良さは決して生まれないと思うのです。そんな住む方の感性に常に寄り添いながら、さらに今後は初心に戻って、プランへのこだわりもこれまで以上に追及していきたい。そうしてクラッシィハウスと共に進化し続けることができればと思います。
2011年7月UP



